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2021.06.17(thu)

たまには商品紹介を

カテゴリー: 紙モノ

 

 
ようやく完成しました!
実用的で使いやすいシールです。

元々、自分が使いたくて現地で血眼になり探したフランスで言う「Étiquette(エチケット)」
しかし、どうしても少量しか見つからないのでとうとう作ってしまいました。

下記に制作までの道のりをだらだら書いてます。長いので興味がある方だけどうぞ。

長い時間をかけシールはできたものの、今度はパッケージにこだわり過ぎて身動き取れなくなりさらに半年。実際に使っていただくために復刻を構想したのに、パッケージにお金をかけて高額になってしまうのは本意じゃありません。という訳で計画を真っ新に戻して中身だけ先に販売開始します。
パッケージはこのラベルを収納するファイルという形をとり別売りで進行中です。
とりあえずグラシン袋に入れてお届けします。

理想のパッケージは写真に写ってる丸い箱だったんです。本当はこの雰囲気で販売したかった。。。
丸い箱も作れるのですが、どうもイメージと違う…。あとはロットの壁と見積もりで撃沈です。
いや、目をつぶれば出来なくもないのですがうーーん、これは今後の課題ということで。

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パリに行ったら絶対探したかったものの一つがこのラベルシールでした。

市場には可愛いお皿、レース、雑貨がたくさんありましたが、一切それらを見ないようにして「紙モノ」に絞り、血眼になって歩き回りました。
しかし、やっと発見できたのは中身スカスカの小箱2つのみ。
販売どころか、自分で使うにも忍びない量です…

この辺りで復刻するしかないかなぁと思い始めていました。
とにかくただただ使いたかったから。

でも復刻というからにはただスキャンしてペラっとオフセットで刷るなんて簡単なことはしたくない…そう思い立って、結果構想から2年。。。


古い紙のざっらとした質感、破れそうなくらいの頼りなさ、黄ばみ、版ズレ、擦れ、匂い…などなど紙好人間にはここが堪らないのです。
しかしそれらを弱点として克服してきた上に現代の紙があります。そこに最大の敬意をはらいつつも、やはり古い紙好きにとって現代のものはつるっと綺麗すぎるのです。

古いシールをよく見ると縁までぷくっとした凹凸があります。粘着は水のりを使用、薄いが質感のある紙。このあたりが愛らしい所以でもあるのでぜひここを再現したい。というところから始まりました。


まず凹凸といえば活版かエンボスが浮かびますが、サンプルを色々見てもなんか違う。活版もエンボスも端から端まで綺麗に凹凸が入りすぎて見えるのです。目指してるのはもっとラフな雰囲気。

ラベルシールは元々業務用だったことへ立ち戻り、凸版印刷が頭に浮かびました。業務用のラフな雰囲気が出せれば…。

という訳でオリジナルデザインを凸版で複数の会社にお願いして刷ってもらいました。
それはそれで可愛いのですがやっぱりなんか違う。どれもこれも仕上がりが綺麗すぎるのが気になりました。

そしてシールの世界は選べる紙が少なすぎるのです。それにシールの台紙が固くてうまく凹凸が入りません。

その後もいくつかシール会社に問い合わせましたが…なかなか話が伝わらず(そりゃそうです「できるだけ薄い安っぽい紙で」「わざと版ずれにしたい」「圧も均等じゃなく」「できれば水のりで」と職人さんへ下手に仕上げてくださいというような失礼なお願いの数々、、、)またもやロットの壁にもはばまれ、ほとんど相手にされず見積もりで撃沈していました。

半ば諦めかけてた時にtwitterのタイムラインで、昔の封緘を復刻してるという信陽堂さんのツイートを目にしました。
信陽堂さんといえば「封緘シール」を作っていた会社です。当時はレッテルと呼ばれていた、まさに今作りたいシールです。ここが復刻してるとは!!
写真を見たとたん興奮してDMで問い合わせしていました。

その時やり取りしたのが、今回担当して頂いた竹平さんでした。まさに会社で復刻している最中なので私のこだわりもすんなり受け入れてもらえ、あれよあれよと一気に話が進んでいきました。わかる人にはこんなに伝わるものかと感激しました。

そこからまず紙の問題、やはり紙の種類は少ないのでちょっと雰囲気のある上質と水のり紙を張り合わせるのはどうかと提案がありました。

水のり?使えるんですか?願ったり叶ったりです!

合紙すると少し厚くなるところをより薄い紙を探してくれ、厚みを調整して紙が決まりました。

縁のぷっくりは、印刷と同時にカットができる昔の機械でしかできないらしく、なるべくその雰囲気に近ずけるように、なんと工場長がわざと刃の切れを悪くする(えーびっくり!!)など驚きの工夫をして頂きました。

コロナ禍真っ最中なので印刷立会いは叶わず、リモートという形になりました。私は自分の机に座って工場長が機械を操ってる姿を眺めながら「もう少し擦れを」とか「もっと大胆にずらしちゃってください」なんていう楽しいリクエストをし、長い長い道のりを経てようやく夢見たシールが完成したのでした。



*オリジナルとの比較写真写真
左がオリジナル。現地で数枚発見したものから版を起こしてアレンジ加工しています。

若干厚く白いですがよく再現できたと思います。
気になっていた厚みは実際に使うと地の色が透けずに逆に使いやすかったと実感。
黄ばみは自身で育ててください。やや日焼けしやすい紙なので使用していくうちに意外と早く育ちそうです。

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最後に、こんな厄介な要望をすんなりわかってくれた竹平さん、工場長さん。本当に面倒な作業に付き合っていただきありがとうございました。
twitterでやり取りしたのが竹平さんでなければ絶対に叶わなかったと思うくらい、竹平さんには驚くほどやりたいことがすんなり伝わりました。

興味があるかないかの差って本当に大きいですね。